内定者が面接では
語らなかった全真相!?
2022年内定者メンバー紹介
なぜ文藝春秋を志望したの?
面接や筆記試験のポイントは?
内定した今だから言える本音を明かしてもらいました。
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カメさん
四年制大学でリベラルアーツ専攻。女性、編集(週刊誌)志望。趣味はラジオ、料理(和食と菓子)、絵を描くこと。僧侶のような落ち着きがあるが、思い切りがよい性格。
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アライグマさん
大学院で工学系専攻。今年唯一の理系。男性、ビジネス(デジタル系部門)志望。趣味は旅行。街を歩いて人々の生活を観たり、歴史、文化を読み解くことが好き。好奇心旺盛。
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ドラゴンさん
四年制大学でドイツ文学を専攻。男性、編集(週刊誌)志望。性格は「好奇心おばけ」。趣味は廃墟めぐり、YMOグッズ収集、町中華開拓。特技はウイスキーの銘柄当て。
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カンガルーさん
大学院で日本史を専攻。男性、編集(ノンフィクション)志望。趣味は茶道と料理(特に台湾料理)。普段は真面目だが、すぐ調子にのってしまう性格。
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パンダさん
四年制大学で政治学専攻。女性、編集(ノンフィクション)志望。趣味はスクワット。特技は高速まばたき、餃子の皮包み。素直で頑固だが、議論して結論づけたい性格。
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フラミンゴさん
四年制大学で社会文化・文芸を専攻。女性、ビジネス(プロモーション)志望。趣味はドラマやYou Tube鑑賞、ひとりカラオケ、編み物。数値を基に分析することが得意。
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テナガザルさん
四年制大学の法学部卒業。男性、編集(ナンバー)志望。趣味はクライミング、本屋巡り、DIY、詩作。新しい環境に飛び込むこと、人と話すことが好き。
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インコさん
今年唯一の関西在住。大学院で人文系専攻。男性、編集(文藝)志望。趣味は映画評・書評の執筆、ZINEの制作、お笑いを観ること。真面目だが根っこは陽気でよく喋る。
就職活動全般について
いつですか?
何を活用しましたか?
エントリーしましたか?
会社選びにおいて
最も重視した
ポイントはなんですか?
「絶対にこれをやりたい」「これじゃなきゃダメ」というものがなかったので、総合出版社を選びました。あとは、出している週刊誌や文芸誌を読んで受けとった印象を大事にしました。ESの問いや選考プロセス、面接を受けた感触とその合否の一致度合いで確かめていきました。
「自分が楽しく働き続けられるかどうか」。就活では「選ばれたい」という気持ちがどうしても先行してしまいますが、自分を無理に作っていては、入社できたとしても続けることは難しそうだと思っていたので。
「選択肢が多いかどうか」です。最初は記者職を中心に就活していましたが、次第に30歳までは色んな業務にチャレンジしたいと思うようになりました。そのほうが視野が広く、幅のある社会人になれると考えたためです。
「自分自身の性格と会社の空気感が一致すること」です。息を詰まらせずに仕事ができそうかどうか、を最重要視しました。ただ、この基準は就活をする中で発見したものなので、私の就活は途中で方針を思い切り転換させています。
自分の置かれている立場、つまり「文系の大学院卒を採用する会社であるか」を第一に重視していました。そんな会社であれば、私がこれまでの人生で重視してきたような人文的な価値観を軽んじない土壌があるだろう、と考えたからです。
どれくらい受けましたか? 4~5社受けた人が多い結果になりました。
出版社を希望した理由は
何ですか?
好奇心を満たし、かつ活かせる業界だと思ったからです。「面白いほう」をとってきた人生だと思いますが、社会人として同じように選択ができる業界となると、選択肢は限られていました。
本が好きだったので、本が売れなくなっている状況に危機感を感じて、「若者に本の面白さを伝え、売り上げを伸ばすことを仕事にしたい」と思ったのが理由です。もう一つ、他の業界の仕事にあまり興味を持てなかった、というのもあります……。
幼い頃から小説をよく読み、さらに中学以降は漫画に学術書に、と本に慣れ親しんでおり、編集者への憧れがあったこと。紙媒体が転換期を迎え、新たな仕事ができそうなこと。私とタイプの似た友人が多く出版社に就職しており、マッチしているのではないか……? と思ったこと。
言葉を紡いで世に問う仕事だからこそ、独りよがりでなく謙虚な姿勢で言葉に向き合える環境だと感じたためです。出版社という名ではあれど、媒体にとらわれずコンテンツを出せる柔軟性にも魅力を感じました。
受けた業界はありますか?
出版業界以外には、新聞社、NHK、国立国会図書館を受けました。このほか、教員免許を取得していたので教員になることも選択肢として考えており、公立・私立学校の教員採用試験への申し込みを進めていました。
コンサルティング業界、IT業界、外資メーカーなどです。ミーハー就活生でした……。
官公庁・シンクタンク・広告・デベロッパー。もともと官公庁志望で、あくまで保険として民間就活を行っていました。元バイト先から落とされた衝撃は未だに忘れられません。後日上司から謝られました。
就活のさなか、
気分転換に
どんなことをしていましたか?
時間があれば「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイ。
ひたすら香水を買い集め、心地よい香りにうっとりする。オンライン中心の就活だと、とにかく五感が鈍麻していくので、無理矢理にでも刺激を与えることが重要だったように思います。
面接前日はいつも近所の銭湯へ。閉店間際はほとんどお客さんがいないので、「明日、不安だ〜」という気持ちをそこで払拭し、すっきりした状態で面接を受けるようにしていました。
近所の銭湯に通うこと。疲れも癒されるし、考え事をするにも適した場所。おすすめです!
韓国アイドル(BTS)の情報収集。じつは就活真っただ中に骨折し、大変な目に遭ったのですが、彼らに励まされながらなんとか切り抜けました。知れば知るほど生きる活力が湧いてきました。
就活必須アイテムは
ありましたか?
手帳 /ノート!
パソコン、安定したWi-Fi環境、顔が明るく見える照明。
オンライン中心の就活を乗りきるには、なによりも質のいいネット環境、マイク、コンピューターです。緊張をほぐすためのAirPods Pro、ホットアイマスクも常備していました。
スティック型のヘアワックス。髪の毛はきちんと結ぶように心掛けていました。前髪をピンで留める髪型は個人的になじまなかったので、後ろ髪だけは整えるようにしていました。
祖父が使っていた飴色の革カバンです。おじいちゃん子だったので、ずっしりと重いカバンを持っていると祖父が見守ってくれているようで、面接に臨む際の励みになりました。
ありませんでした。なくしたときにショックを受けそうだと思ったので……。
文藝春秋に関連して
受けようと思いましたか?
なぜ文藝春秋の採用
試験を
受けようと
思いましたか?
オンライン説明会の雰囲気が予想と全く違ったから。堅いイメージを勝手に抱いていましたが、良い意味で裏切られました。手の届かない会社だと半ば諦めていたのですが、入社したいと真剣に思うようになりました。
文芸とジャーナリズム両方できる点が魅力でした。他の出版社はあまり気が進まずエントリーしませんでしたが、文藝春秋は「出さないといつか後悔する」と思い急いでエントリーシート(ES)を書き上げました。
文藝春秋の編集者が関わっていたイベントに参加していたことがあったから。受けようと思ったタイミングはES締切の3時間ほど前でした。
編集者、特にノンフィクションに携わる編集者になりたかったので、文藝春秋を受けないという選択肢はありませんでした。つまり、出版業界を目指そうと思った大学院進学時点から決めていました。
文藝春秋の採用試験に
あたって、
ESや作文、
筆記試験の特別な
対策は
しましたか?
ES・作文対策は、特になにも……。
ESで心がけたのは、丁寧な字で書くこと。
ESをOB・OGに見てもらったり、作文を友人に添削してもらいました。
筆記試験対策で「論点100」を眺めたり、月刊文藝春秋の目次を見て、知らない人名や単語を調べました。
筆記試験対策でやったのは、芥川賞と直木賞の歴代受賞者と受賞作を頭に叩き込んだこと。ここにヤマを張ったのですが、残念ながら正答にはほとんど結びつかず(笑)。
(雑誌や書籍)は
どのくらい読みましたか?
雑誌は、週刊文春を3冊、月刊文藝春秋を1冊ほど。書籍は、数えていないのでわかりません……。
おそらく月に1冊くらいは文藝春秋の刊行物を読んできたのでは? 就活中は、文春のすべての雑誌に目を通したり、話題書を読んだり。
雑誌は図書館に配架されている分だけ遡って、ただし「週刊文春WOMAN」だけは全号読みました。書籍は自分の志望しているジャンルを中心に読みました。
以前から読んでいた週刊文春にくわえ、すべての雑誌を図書館で半年分くらい。いずれの雑誌についても、自分なりの解釈・コメント・新企画を言えるくらい、を目安に研究したつもりです。
雑誌は週刊誌・総合雑誌・文芸誌を1年分ほど競合他社のも併せて読み、特徴などを把握しました。書籍はそれまでに持っていた文藝春秋からの刊行作を改めて読み直した程度です。
しましたか? OG、OB訪問した人が多い結果になりました。
選考が進んでいく
なかで
一番焦った
タイミングは?
筆記試験が予想以上にできませんでした。筆記試験会場で一緒にご飯を食べた子たちが、対策をかなりしている風の話し方だったので、ここで落ちるかとかなり焦りました。
3次面接の際、ネクタイをせずに参加したところ「写真ではネクタイをしているけれど、今日はしていないのはどうして?」と聞かれたタイミングでしょうか。「首をしめられるのが嫌なので」と素直に答えたところ、「我々もどちらかというとしめられるのは嫌な側ですね!」と受け止めていただいたのが良い思い出です。
最終面接の際、14人の役員を前に緊張しすぎて志望理由が飛びそうになりました。ギリギリ違和感のない間で話し始めることができたので良かったです。
気分転換に使っていた銭湯が臨時休業だったとき。ルーチンのひとつになっていたので、焦りました。
文藝春秋の面接で
忘れられない
エピソードは
ありますか?
ESの書き損じを気づかないまま提出してしまい、1次面接で「この続きは?」と突っ込まれた瞬間は忘れられません。頭が真っ白になりました。
大学では茶道をしていたのですが、3次面接でその話をしたことです。茶道の袱紗さばきを実演したところ堅かった面接の雰囲気が和らぎ、そこから面接の流れを掴むことができたように思います。
3次面接の最後に自分の印象を聞いてみたら、「最初の方は話がまどろっこしくて何言ってるかわかんなかった」と言われたことです。後半は大丈夫だったとも言われましたし、別の方からもフォローしていただきましたが、強烈に覚えています(笑)。
最終面接の帰り、本社のエレベーターに乗ったときに乗り合わせた女性社員さんが印象的でした。とても大事そうに単行本を抱えていらして、社風が垣間見えたような気がしてすごく心に残っています。
どんな服装でしたか?
グレーのスーツ
ほかの方はほとんど黒スーツだったため、けっこう目立っていたように思います。入ってから「グレーのスーツの子」と認識されていたことを知ったので、印象に残ってよかったのかも?
あくまでTPOは弁えていますよ、というアピールができる服装を意識しました。
黒のリクルート
スーツ
よく見る就活生。髪型はいつも以上にしっかり整えて、お化粧はいつも通りにしていました。私服で受けた面接にことごとく落ちたため、リクルートスーツに落ち着きました。
青いオーダースーツ
有楽町で仕立てた4万円くらいの青いスーツを着ていました。革靴も面接時は必ず磨いて臨んでいました。ファッションが好きなので、自分の体型に合ったスーツを選ぶようにしていました。
決め手は?
人の魅力
面接がいちばん楽しかった会社でした。雑誌や刊行物からも感じる「人への飽くなき興味」を、面接ですでに感じていました。
事業の魅力
仕事の幅が広く、選択肢が多いと感じたためです。文芸とジャーナリズム、記者と編集者の両方を経験してみたかったこともあり、文藝春秋は絶好の場所だと思って承諾しました。
人×事業の魅力
(なんとなく派)
自分らしく喋ることはできたので、何がかはわからないけれど、なんとなくちゃんと評価してもらったという感触があったので決めました。
人×事業の魅力
(なんとなく派)
面接で出会った人がどの方も楽しそうにみえたこと、自分のような経歴は少ないであろうこと、歴史の厚みの印象よりはるかに大胆に体制を変えることができる企業だと認識したことです。
就活の「前」と「後」で
変わりましたか?
「堅そう、怖そうな会社」だと思っていましたが、面接は基本的には柔らかく、こちらの話をすごく聞いてくれたので、そんなこともないのかも、と思い直しました。特に面接で出迎えてくれる方たちは丁寧かつフランクで、いい会社だなと感じました。
週刊文春や月刊文藝春秋の「堅くて、激しい」イメージを就活前は抱いていましたが、面接や内定後のアルバイトを通じて、大らかな雰囲気があり、いい意味で意外とほのぼのとした会社だなと感じています。
変わりました! 非常に硬派な会社だというイメージでしたが、面接官の方もフェアな方ばかりでした。一方で、就活を経て、「一体どんな会社なんだろうか?」という謎はより深まっています。
「堅いところもある?」と思っていましたが、それって「とても丁寧ってことだったのかも」と思うようになりました。
当初持っていたイメージ以上に、和気藹々とした会社だという印象を受けました。就職活動中にお話を聞いた他の出版社にはセクショナリズムを感じることもありましたが、文藝春秋は社員全員が会社を守り立てていこうという一体感が強いように感じました。
もう一度文藝春秋
の選考を受けるな
ら
どんな準備を
しておきますか?
「他社との違い」「他社の刊行物との違い」などの「違い」系の質問は、必ず聞かれるものの、対策は一朝一夕にはできません。早めにそういう意識を持って本に触れるようにしておくと、焦らなくていいと思います。
エントリーシートの細かい設問まできちんと書く。穴埋め程度に書いた趣味や特技にまでしっかり質問が飛んできて、とんでもないことになりました。(当たり前ですが)突っ込まれたら困る内容は書かない方がいいかも。
もっと小説を読んでおけばよかったな、と。一点食いするタイプなので、幅広く小説を読んでおけば自分のためにも、また文春対策のためにも有効だったなと感じます。
就活中に本を置く場所が足りなくなったので、本棚を買っておきます。出版社の就活で本を買うことは最高の肥やしになっていたので、もっとスペースを確保しておきたかったですね……。
よく寝ておきます。選考では面接官とのコミュニケーションが濃密に求められるので、しっかりと寝て、頭の回転を早くしておくことは必須です。私はできませんでした。笑いがおこったので結果オーライです。
あなた自身について
インターネット(動画を含む)
を見る/映像(映画・テレビ)
を見る割合はそれぞれ
どのくらいですか?
何でしていますか?
雑誌を読みますか?
10年後は
どうなっていたい
ですか?
変革し続ける世の中においても面白いものへの嗅覚を失わずにしっかりとメディアを実装できる人間になっていたい。端的に言えば世界をより善く面白くできる人間になっていたいです。
忙しく働いていたいと思います。できれば、チームを動かして、やりたいことができていればいいな。
仕事面では、前例のないことに挑戦させてもらえたり、任せてもらえるような存在になっていたい。個人的な目標としては、今よりもずっと押しが強く、かつ押し付けがましくない人間になることでしょうか。
活字の面白さをもっと伝えられるようになっていたい! 人格的には(?)、異動を経て、耐久性が増した人間になっていたいです。
いろんな経験を積み、多方面に広い人脈を持ち、「困ったらとりあえず彼に相談しな」と言われる人間に少しでも近づいていたいなと思います。
視野も心も広い人。あとは、どんなことがあってもずっと楽しんで仕事をしている人間になっていたいです。頭でっかちにならず、ずっと素直な姿勢でいろんなことを学び取っていきたいです。
年齢相応の経験を積んだ、どの部署からも必要とされる社員になっていたいです。
業界の見取り図を把握し、そのなかで自分がやるべきこと・こだわりたいことを見つけて、信頼される編集者になっていたい。あとは猫を飼えるようなゆとりのある生活をしていたい。
入社したら
どんなことを
したいですか?
やはり出版社で働けるからには、自分が面白いと思うコンテンツが、どれほど世間の人々にも面白いと感じてもらえるのかを試行錯誤していきたいです。試行錯誤を通じて、自分の伝えたいと思うものを多くの人に届ける方法を見つけていきたいと思っています。
Webマーケティングから営業まで、なんでも興味があります。売り上げなどの数字を追う経験がしたいし、編集の現場で揉まれたい気持ちもあります。最初はまかされた仕事をこなしつつ、いずれは自分でプロジェクトを立ち上げ仕組み化できるところまで挑戦したいです。
読者の好奇心や想像力を刺激する読み物をつくりたい。週刊誌を志望しているので、ひとのおもしろさ、複雑さをいろいろな面から捉えていけたらと思います。
いろんな仕事に挑戦してみたいですが、あわよくば新しい雑誌の創刊などもできたらいいな。
紙媒体において存在した編集の力が、インターネット上での媒体でよりよく機能するにはどうしたらいいのか…? という問を解いてみたいです。あまり筋の良い問ではないかもしれません。あとなんとかして百合に関わる仕事がしたいです……。
いつか、張り込みは絶対にしたいです。
いずれは『文學界』の編集者として、芥川賞を獲るような作品づくりに携わりたいと、いまは思っています。芥川賞作品には、文章を読むことの純粋なおもしろさを教えてくれた恩があるので。
怖がらずにいろんな人に話を聞きたいです。また、ノンフィクション書籍を志望しているので、こういう世界もあるのかと驚かれるような本を編集して、なるべく多くの人に届けたいと思っています。