創刊の辞

創刊の辞 菊池寛

私は頼まれて物を云うことに飽いた。
自分で、考えていることを、 読者や編集者に気兼なしに、 自由な心持で云って見たい。
友人にも私と同感の人々が多いだろう。
又、私が知っている若い人達には、 物が云いたくて、ウズウズしている人が多い。
一には、自分のため、一には他のため、 この小雑誌を出すことにした。