INTERVIEW#03
コミック編集部S・Y
どんな経験も、失敗さえもエンタメになる どんな経験も、失敗さえもエンタメになる

私の入社理由

これまでの人生で一番自分の話をした

幼い頃から小説や漫画が大好きで「絶対に物語に関わる仕事がしたい!」と思っていました。今回の就活で出版業界に受からなかったら、しばらく別の業界で働いてから転職するプランまで立てて、他の業界も幅広く受けた上で、最後に出版業界を受験しました。
 文春の面接はすごく印象的で、質問に対して、他の業界の面接だったらもう充分答えたと思う回答をしても、もっと深掘りをされるんです。
 数十分にわたる3次面接では、話している間に「私はこう思っていたのか!」と自分で驚く場面もありました。
 面接官である現場の社員が、取材を仕事にしているからかもしれません。
 「これまでの人生で一番自分の話をした」と感じたのが文春の面接で、それで内定を貰えたのなら、ここで働くのが良いのだろうと思い、入社を決めました。

今の仕事について

現在までの経歴

  1. 2022.03月 入社
  2. 2022.04月 メディア事業二部
  3. 2022.07月 メディア事業一部
  4. 2023.07月 コミック編集部

今の仕事について

メインの仕事は担当作家さんとの打ち合わせです。プロット、ネーム、作画それぞれの段階で何度も打ち合わせを重ねます。
原稿をいただいた後は、文字のフォントやサイズを指定し、入稿。選んだフォントのちょっとした差でページの印象が大きく変わることもあり、奥深い作業です……。
単行本化が決まると、カバーのデザインや帯の文言を考えます。発売後のプロモーションも大切な仕事です。広告を作成し展開したり、書店でイベントをすることも。
その合間にあらたにお仕事をしたい作家さんへお声がけして、新企画を仕込んでいきます。

コミック編集部のやりがい

今の文藝春秋コミック編集部では、主に「オリジナル作品」と「コミカライズ作品」の2種類を作っています。
 オリジナルの場合は、どの題材にするかというところから作家さんと打ち合わせをして、キャラクターや展開をひとつひとつ決めていきます。
 コミカライズは、小説やノンフィクション本を漫画にするため、原作者さんとも相談しつつキャラクターデザインや漫画版のプロットを作っていきます。
 どちらの場合も、企画の初期から深く制作に関わっていくので、その後ネーム、作画の段階を経て原稿が手元に届いた時の感動はとても大きいです。

これからの目標や夢

誰もがタイトルを聞いたことがあるような、大ヒット作を生み出したいです。メディアの垣根を越えてアニメ化やドラマ化したり、翻訳されて世界中に広がっていったり……。
 夢のようですが、漫画ではじゅうぶん現実的です。
 他には、いつか将棋漫画とバレエ漫画を担当してみたいと密かに思っています。

入社前と入社後で感じた
ギャップ

入社するまでは、部署が違う人とはある程度距離ができるのだろうと想像していました。部署ごとにフロアも違いますし、特に編集部門とビジネス部門の間には少しは溝があるのかな、と。
 入社してから、どの部署の人とも気軽に話せると分かり、驚きました。異動が多い会社なので、どのフロアにも前に一緒に働いていた人が居るという状況になるからかもしれません。
 私自身、コミック編集部(編集部門)への異動を希望したところ、なんと2年目で辞令が。最初にいたメディア事業局(ビジネス部門)の上司や先輩方とは、いまでも定期的にランチに行く仲です。
 小説のコミカライズは、文芸の担当者と細かくやり取りをする必要がありますが、気兼ねなく突っ込んだ話ができてとても助かっています。営業部やプロモーション部とも、漫画の掲載先である「文春オンライン」編集部とも、いつでもスムーズにコミュニケーションが取れるので、社内の協力を最大限得ながら本を売ることができます。

文藝春秋の社風とは

コミック編集部のキャリア採用の先輩方からは「やりたいと言い出せば、とりあえずやらせてくれる会社」とよく聞きます。
 思い返せばメディア事業局では、1年目の私が提案した新しい広告プランを、上司や先輩方も一緒に営業をかけてくださって実施が決まりました。自分が一から考えた企画をクライアントと近い距離でやり取りしながら進めていくのは、社会人になりたての私にとってすごく良い経験になりました。
 他部署の同期や後輩からも同じような話を聞きます。前例が無くても、年次に関係なくやりたいことをやらせてくれるのは、当たり前のように感じていましたが、文春の文化なのだと思います。
 若手のうちから企画をしたい学生さんには、合っている会社かもしれません。

1週間の仕事の時間配分

オフの1日

平日の退社後に友人と会ったり、映画を観たりする余裕もあります。 社内の将棋部に入っていて、20代から50代まで部署横断で、月に一度女流棋士に指導していただいています。今年は初めて職域団体戦という大会にチームを組んで挑戦しました!

文藝春秋を一言で
表現するなら

振れ幅が
大きい

忘れられない一冊

浜谷みお『やまとは恋のまほろば』

大学時代に漫画アプリで配信されているのを見つけ、同じく大学生の主人公に共感し、最新話を心待ちにしていました。入社してから、文春でコミックスを出していると知って驚いたのですが、コミック編集部に異動して、今ではなんと作品のすごく近くで働かせていただいています。 大学デビューに失敗し疎外感を感じていた主人公は2年生になり、大学生活も恋愛もずいぶん状況が変わりました。ぜひ手に取ってみてください。

入社を考える方へのメッセージ

「コミック編集部」と
“私の好奇心”。

漫画家さんにふと話した、前の部署でのエピソードから打ち合わせが盛り上がって、作品のネタになったことがありました。
 最近観た映画の話題や、子供の頃に読んだ小説の思い出、学生時代に大失敗して墓場まで持っていこうと思った話など、意外と何が物語に繋がるのかわかりません。
 コミック編集は「面白いものは何でも好き!」という人には、とても向いている仕事だと思います。自分の経験が、失敗すらも「全部エンタメかも…?」と思えるのは最高です。